透明と灰と水

自由律俳句

バスボムから出てきた鳥に水滴の帽子をのせる

生きろと言うことの残酷さ

名指しができない

噛んだガムを包むには小さ過ぎる

届かないアイ メッセージ

今日も使い古しの妄想で

したいししにたいし

恋みたいな感情が体内で窮屈そうにしてる

隠し味の味しかしない

無い無いで嘘、どこにもない

汚点どころか汚面くらいになってる

いつも笑う子が隣に来て真顔になった

不死身の自負

キョエちゃん前の喋り方の方が好きだった

切り傷さえ痛いから死ねない

道の真ん中にズボンを上げ下げしてるおじさん

disease illness sickness 病気行ったら patient

一時の快楽求めたマッチ売り

ゆめかわな生き物になりたい

向き不向きはあれど『生きててだめなやつとかいねぇ!』

湯船にケツ拭いた紙と靴下の欠片

知らない苦しみ知る苦しみ

性欲って何だと思いますかと聞かなくてよかった聞いてたら多分勘違いされてた

リップを眉に塗るのはすこし抵抗がある

全て比較で語られる正解のない世界

ほっぺたの破片を噛む

今川焼きをおふとんにして寝たい

夢でさえ笑われる

かわいいねって言われていつもはかわいくないんだなって思う

丸顔と言った奴を殺しに行ってくる

クラッチで爪に詰まった銀色

キラキラとギラギラねぇあなたはどっちなの

餃子の皮の中で肉になって眠る

「子どもの頃」より子宮に戻りたい

暴れたら子宮の外に出されたの

空っぽのへやをまさぐりラリパッパ

オチがわかっても読みたい

誰もいない椅子を前に語る

聞けば野暮と言うだろうけどあなたはどんな言葉を選ぶの

何それと笑うあの子はイノセント

みんなとは違う理由で恨んでる

中学の学区だったから事故で死んだのは同級生かも

プリッツは帰りのバスのエロサイトの味

バスとともに揺れる男根

それガーリックじゃなくてガーリーですよと言うべきか

昨日はずっと舌を噛んでた

今の気分はと聞かれても「股がかゆい」くらいしか

あの子の言葉誰も踏み入れない孤独

枯れた心を潤したい 

思わせぶりなヘッダー

おれだって一発当てたい人生だ

お前は「友達がいない」じゃねぇだろ

「あの子よりまし」のあの子はどうやって生きればいいの

幻想をみせてと吹かしたシャボン玉

もう来ないひとを待ち続け焦げた

マスクがズボンから一枚上着から一枚さっきまでしてたのはどっちだ